大学で学生に教えてもいる偉い絵描きの先生が、学生に嫉妬する、と言う。その言葉が、とても美しいと思った。
ずっと絵描きの人生しか知らないとその人は言う。
夜闇の森の中で何前年と言う大木の前で涙をこぼして自分は本当の闇をしらなかったし、嘘っぱちの夜を描いてきた、と言っていた。
野良の猫が話しかけて来た。お腹空いたからごはんくださいというけど、そこまでお腹空いている風にも見えない。様子を見ようとしたら寝床に案内されそうになったので「違う違う、私は君たちを飼えない」とはっきりと言った。
私の猫は今日もおしゃべりでごはんのこととか、私の要領の悪さとか色々言ってたみたいだった。大概は御機嫌でいる子なので尊敬に値する。
「お前はいつもごきげんね」
と言うと「まあね」という感じで私の手を枕に目をつぶった。
今日、なんか闇雲に(この使い方があってるかわからないけど、とにかくなんとなくずーっとずっと)カードを切っていたら、ひっくり返って中に入ったカードとかあって(つまり手の中で逆位置を取った)それからまたいつ止めたらいいのか分からなくてぼんやりシャッフルを続けていたら、「呆れた!もう待てないし」という感じで一枚のカードが飛び出した。
こつこつと。
ひとつひとつ丁寧に。
成長、成熟への新しいフェーズ。
あの絵描きの先生も立派な先生だのにまだ新しいものを見続けて新しいものを描き続けて新しい表現を作り出している。
ひとつ、ひとつ。
こつこつと。
できればいつも上機嫌で
ーE